ChaboのFF11日記+(跡地)

IfritサーバでFF11をやっていたChaborinの日記でした。

ゲーム脳と教育現場


リヴァイアさん、日々のわざ:森昭雄氏の世田谷区講演リポート
http://ttchopper.blog.ocn.ne.jp/leviathan/2006/03/45_7a23.html
とか、
子どもの『ゲーム脳』共同研究提案へ - 埼玉県知事、首都圏サミットで
http://www.tokyo-np.co.jp/00/stm/20060510/lcl_____stm_____003.shtml
とか、
kikulog - ゲーム脳授業
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1148992675


とかを見てると、なんでこんなに根拠の薄いゲーム脳がこんなに広がってるのかなぁ… と見ていたわけですが。


そんな今日、家族全員で外に行く機会があって行ったんですが、晩ご飯を食べてる時、(ちょうど前日RGN#2にも行ってたし)弟とゲームについての話について盛り上がってたんですよ。そしたら「ゲーム脳はどうなわけ?」という話題になって、私が「いやーゲーム脳はかなりトンデモな話だよ!」ってことを話してたわけです。
そうすると、弟曰く「まじ?俺授業でゲーム脳のことやっちゃったよ!」と。
弟は小学校の教員なんですが、某地域の教育現場*1ではゲーム脳は当たり前のような存在になっているようで、私が今日指摘をするまでそーゆーもんだと思ってた、とか。
ぎゃー我が弟よ、おまえもゲーム脳脳か!と言いたくなるほど衝撃を受けたのですが、ただ弟自身もそこそこゲームをやる人なんで(アーマードコアとかが大好き。でもFF12はLv10くらいで挫折したらしいw、よし!ぶんどろうとか思ったのはナイショ)、ゲーム脳にはちょっと違和感を感じていたと。
で、2人では、そもそもどんなゲームでもゲーム脳になってしまうなんておかしくないか?という話をしてました。
「とりあえずゲーム脳でぐぐれ」という話をしてたのだけど、弟からこんな話も。

ゲーム脳は現場で実在する?

というのも、弟が現場で感じていることで、「なんか話を聞かないなーとか感じる児童に聞いてみると、だいたいゲームを毎日3〜4時間やってるらしい」という話。しかもそういう子が何人かいるみたいで。
うーむ。現場侮れず。やっぱりフィールドワークは大事だわ〜(´∇`;;) とか思いつつ、じゃあゲーム脳理論自体がトンデモだとして、どうしてそういう感覚が生まれるのかというのはしっかり考えにゃならんのでは?と感じたわけです。
もちろん、そのような感覚程度で「やっぱヘンだよゲームって!」と言うことはありえないわけで、所詮井戸端雑談なわけだし、そもそも全てのゲームを十把一絡げにすること自体間違えているし。
じゃあ、どういうゲームだったらあまり頭に良くなさそうなのかなぁ、という方向に雑談(というか議論)はすすみ、たぶん「認知>実証>確認」サイクルのようなものがない単純作業系のゲームが問題になりそうだよね、特に寝落ちするやつとか…! というようなあたりでだいたいの方向付けが生まれたわけです。

衝撃的だった「保護者に言えない」発言

コンピュータゲームというのは教育現場では「良くないもの」というレッテルが既に貼られているわけですが、ゲーム脳というのはそういうニーズにすばらしく合致するものなんだなぁ、という感想でした。
さっきの話の終わりで、「じゃあ、学校とかで『全部のゲームがダメというわけじゃなくて、こういう系のゲームは良くないんだよ』っていう感じで方向修正してみたら?」って提案したら、「いやそれはむり。保護者には言えないよ。ゲームをしていいってことになっちゃうじゃん」という答えが。


どうやら俺たちはとんでもない考え違いをしていたようだ。
教育現場では、最初からゲームは「してはいけない」ものだったんだよ!*2
な、なんだってー!

ゲーム業界陰謀論とかも

だけど、同時に話をしてて興味深かった話は、「ゲーム脳を否定しているのは、ゲーム脳がつぶれてほしいゲーム業界からの話もあるんじゃない?」という陰謀論でした。うーむ、可能性は0ではないわけだけど、GTA3とかをあっさり有害図書指定されちゃうような業界で、どんなフロント活動ができるというんだろう…という話をしつつ、でも改めて一つの考えに固執しちゃだめだな、と思い直させてもらいました。

補強材料として使われるゲーム脳(6/5追記)

現在の教育現場では、「ゲームこそ悪者だ」という言説は既に出来上がってしまっていて、あとはいかにしてそれを補強するか。で、そこに飛び込むゲーム脳。弟との会話の中で、こんな状況になってしまっているのがはっきりしたわけですが、声高に「でもゲーム脳はまだ証明が全くされてないよ!」って言ったところで、届かないものであるということもわかりました。
今回の雑談の中でも、「その問題児童のゲーム時間がだいたい3〜4時間だった」ってことに「もっと他にも共通項はなかったの?」とかカウンターをぶつけられなかったこともあって、ちょっと残念です。
「ゲームが悪かどうかわからない」という基本的概念が既に失われている中での議論は、かなり無理があるなー。というのが一晩明けた感想です。下手なもっていき方をすれば、あっという間に水掛け論に。うーむ。陰謀論同士の戦いなんてしたくないよ!w

*1:世田谷区とか鳥取県とか埼玉県とかではありませんw

*2:念のため申し添えますが、この発言はあくまで個人対個人の雑談から生まれたおもしろおかしい皮肉であって、教員としての意見がこうだったり、すべての教育現場がこういうことを言っているわけではありません。この点どうかご理解を。