ChaboのFF11日記+(跡地)

IfritサーバでFF11をやっていたChaborinの日記でした。

RMTの現状と考察 〜広く浅い楽しみと、深く狭い作業〜

FF11の情報なら大抵なんでも揃っているeLeMeNさんが、RMTの考察記事を掲載しました。なんと、業者に直接アンケートを取って集計しています。これはすごい。

FF11 - リアルマネートレードの実状

http://www5.plala.or.jp/SQR/ff11/archives/special/rmt.html

他の方もとても興味深い様子で、この件について取り上げられていらっしゃいます。

FFXI】旅と冒険のキセキ。さん:RMTについての情報。
http://blog.livedoor.jp/guideon/archives/50216267.html

釣りとガルカの関係さん:笑うに笑えないと言いながら結局笑う
http://gordz.blog1.fc2.com/blog-entry-337.html

エトセトラ、エトセトラ。


さて、元のeLeMeNさんの記事に戻って。
この記事のなかで一番びっくりしたのは、

長期に渡って毎月継続して退会処分をしているらしいのですが、アンケートによると実際に処分された事は利用者も含めて一度も無いそうです。
今回は日本の業者のみを対象にしたアンケートなので、もしかすると対中国系業者や対北米業者等に処分を行っているのでしょうか。 それとも、、、?

の部分。えええ、■eってば、「RMTは禁止されてる」とか「処分を行っている」とかって散々言っているのに、処分してないの?


なんかこの記事によって、
「業者が捕まる→顧客リストが■eの手に渡る→芋づる式に検挙」
という具合の恐怖感があったのが、一気になくなってしまった感があります。*1これだけ大手のeLeMeNさんの記事だけに、大抵のFF11プレイヤーには知られてしまうわけで。これでまた、例のBAN騒動でやめていた人達がRMTに走ることになるのかなあ・・・という具合です。

ChaboのRMTに対するスタンス

さて、個人的にはRMTに対するスタンスは「規約で定められていることは守るべき」というものです。お金を稼ぐにしても、高価な物を手に入れるにしても、何もかも楽しむためのものであるということです。


しかし、RMTをする人の気持ちもまた理解できます。時間がない人が食事代もないけどレベル上げだけはしたい、という時に「まずは金を稼げ」と言うのは簡単です。しかし、そこには大きな時間がかかります。お金を稼ぐ行為も楽しみである人にはそれでも良いでしょう。私なんかは何やっても楽しいほうなんでいいんですが、中には作業だから苦痛でしかない、という人もいます。レベル上げが苦痛な人だっているわけで、極端な話、レベル上げ代行なんて業者まであるじゃないですか。1exp=0.2円、とか。全くもってすごいなあ。


つまり、FF11という「ゲーム」のどこに楽しみを覚えるかなんて、人それぞれでしかないということです。それぞれが高価な装備に身を包むことで自己実現を覚える人もいれば、HNM狩りのような過程を楽しんで、あるいは多少いやな思いをしても経験を積むことが、最終的に想い出として記憶されていくことになるわけで。そこに向けて途中を端折る行為というものもまた、他人に迷惑を掛けないという最低限のルール上であれば、十分それも成り立つでしょう。なぜなら、ゲームというものは所詮自己実現欲求を満たすためのツールにすぎないからです。
そして、自己実現の欲求があるからこそ、これだけRMTはいけないことだダメなんだと言われても廃れないわけです。RMTそのものを忌み嫌うが故に、その考えを理解できない、理解しようとしないこともまた考え物だと思います。


そして、それと自分がどう行動するかは完全に切り離されるべきだ、ということです。あいつはあいつ、私は私。マイ・ルールを押しつけるべきじゃない。

中国業者の考察

中国の業者もまたしかりです。彼らが職業としてRMTをやっていることで、ゲームとして楽しもうとしている私たちとの間に軋轢を生んでいることは周知の事実です。クジャクもアーチャーリングもドッジイヤリングも、みんなみんな業者にたかられてちっとも取ることができませんでした。


そりゃそうです、かける意気込みがまるで違う。「必死だな」とか煽ってみたところで、彼らはガチで必死なわけだから。あの煽り文句は、単に必死でないつもりの人に言って初めて効果を現すわけで... こっちが必死じゃないのに、最初から勝ち目ないよ。


逆に言うとここにも意識の差が出てきます。
遊びでやっている人達はもちろんいていいですし、
必死にやっている人達がいてもまたいい。
ただ、その人達がいる意味を考えなければならない。

それが一番難しいことであり、FF11のゲームシステムはこれら全てを網羅しきれていないからこそ、深いグレイゾーンができてしまったわけです。

楽しむ人は広く浅く、必死な人は深く狭く

ゲームを楽しむ人は広く浅く楽しんでいます。レベル上げもすれば合成もするし、ENMにも行く。それに対し、生活がかかっている人達は、最も効率よくギルを稼げる現場の中、ひたすら一点集中で作業をします。この「深く狭く」作業をする人達と、「広く浅く」楽しむ人達とがぶつかるポイントこそが最大の問題点です。
このぶつかるポイントをなくすことが最大の課題でしょう。
小手先の規制ではなかなかうまくいかないかもしれませんが、連続行動に対する制限のうまい実装がキーですね。

一つは「深く狭く」をできなくすること

例えば、■eが実装した格闘釣りと「疲れ」の概念によって、各地の漁獲量は減りこそしたものの、釣ろうと思ったライトな釣り人でも釣れるように、稼げるようになりました。これは、寝釣りツールと手釣りの部分でぶつかっていた部分が、寝釣りができなくすることで解消したものです。
しかし、なんでも連続行動の制限をすればいいということではないわけで。はまりこんだコアなユーザーを制限してしまうと、ゲーム全体の活気が失われてしまうかもしれないからです。だから、この問題に積極的に手を出しているMMOはあまりないのではないでしょうか。
どこかのMMOで、この問題に手を出しているとこはないのかなあ。

もう一つは「深く狭い」人達と「広く浅い」人達とが共存できるようにすること

そしてもう一つは、深く狭い人は人でやることができ、広く浅い人とぶつからずにすむようにすること。これは例えばオルデールのアーチャーリングを出すスライム(今はもうExの別物しか出しません、念のため)のPop地点を増やしたりすることで、ただひたすら同じ場所で挑発ボタンを連打している現状から、ライトユーザーでも釣ることができるようにしたという事例です。
ただこれは、所詮深く狭い人達がキャラクターを増やして対応するという、「より深くする」ことで対処されてしまったわけですが...


もうひとつは、一部の独占装備がBCで手に入るようになったことです。
今は前からあるバランスなどで、簡単に全てBCに移行するようなことはできないと思いますが、MMO内にMO的なものを作ることによって、他グループを気にすることなく、気軽に集中して遊べる環境というのは、必死な人と楽しむ人が共存できる仕組みが示されるようになったと見て良いのではないでしょうか。
まだまだ未完成な分野ですが、楽しみです。

誰もが「楽しめる」FF11に向けて自分ができること

人と人がぶつかりあい、そこに価値観の違いがある以上、誰もが楽しめるFF11というのは絶対にありえません。ですが、多くの人が一点のことで不快な思いをしているのであれば、それにはそれ相応の対策がなされても良いと思います。
RMTの定義もとらえ方もひとそれぞれですが、そこで浅い楽しみと深い楽しみ(または実利)をどこまでゲーム内システムとして許容していくか。


しかしながら、所詮これはゲームです。ゲームは誰もが楽しめなければならず、楽しくなければ遊ばれないという宿命を負っています。これが、現在のFF11の運営のさじ加減になっているのではないでしょうか。単に指弾し、排除するだけではなく、どうすれば他人と共存していくことができるか。■eをアンチとして捉えるのも決して悪くはないですが、共存に向けて自分が何ができるのか。あるいは、自分は何をしてゲームを楽しむのか。


まだまだFF11について考えることは多そうです。

追記

  • はてな市民権への道。:「無能"なのは管理ではなくシステムではないか。」

http://d.hatena.ne.jp/mkg_b/20051129/p1
MMORPGについて、運営を強化すべきか、システムを作りこむべきかについて言及していて興味深いです。

*1:いや、そりゃもちろん捕まるといっても刑事罰ってわけじゃないので、個人情報保護法があるからそれはないと思いますけどね。。。