ChaboのFF11日記+(跡地)

IfritサーバでFF11をやっていたChaborinの日記でした。

「夜と霧」 ヴィクトール・E・フランクル(isbn:4622039702)

引っ越してから、電車の中は本と決めていたんだけど、iPodのせいで音楽だけになって2ヶ月。久々に新しく読むことに。
お題はかなり重めの本。第2次欧州大戦時、精神科医の作者が、ユダヤ強制収容所における収容者の心理状態を、本人もまた収容された立場から体験し、分析した本。
内容は、いわゆる単なるホロコーストの体験記ではない。むしろ、非常時における極限状態での人間(被収容者+収容管理者)の思考のありかたにふれ、転じて平時における考え方や生き方にいろいろな示唆を得ることができる名著。


昔、実家にあった本書の旧版を読んだことがあったんだけど、その当時は単なる収容所体験記として読むことしかできなかった。要は恐怖体験というわけで...
で、今改めて読み直してみると、そこには人間の弱さと強さが様々な形で表現されていて、全くもって今までの読書の浅はかさを思い知らされることになった。


本書で気になったフレーズをいくつか挙げておくと・・・


・「運命に感謝しています。だって、わたしをこんなひどい目にあわせてくれたんですもの」
・「強制収容所ではたいていの人が、今に見ていろ、わたしの真価を発揮できるときがくる、と信じていた」
 けれども現実には、人間の真価は収容所生活でこそ発揮されたのだ。
 おびただしい被収容者のように無気力にその日その日をやり過ごしたか、あるいは、ごく少数の人びとのように内面的な勝利をかちえたか、ということに。


この文章達、現在の社会においても否応なしに投影しうる描写はどうだ!


不確定な未来を切り開く力を。